緑を見ると目に良いって本当?
緑色は、人間にとってもっとも見やすい色。
結論からいえば、「イエス」です。
目が色を知覚する仕組みからも、緑は「目にいい色」なのです。
私たちは「光」によってモノを見ています。
光の性質のひとつに、波長があります。
地球上にはさまざまな波長の光が届いていますが、その中で私たちが見ることができるのは、380nm(nm:ナノメートル)~780nmの範囲の波長です。
それぞれの波長について、それを見た私たちの目は特定の色を知覚します。
たとえば、波長の短いものは紫や青、波長の長いものは赤やオレンジという具合です。
目の緊張をゆるめる効果も期待できる
その他、色彩心理学においても緑色は気持ちを安定させ
心や体の緊張をゆるめる効果があるとされています。
体の緊張がほぐれれば、目も筋肉もゆるみやすくなります。
緑色は、心理的な作用として目の緊張をほぐし、その疲れを癒してくれる効果も期待できるのです。
「遠くの緑」なら、疲労回復効果がさらにアップ!
そうとなれば目の疲労回復のために緑あふれる今の季節を利用しない手はありませんね。
そこで、積極的に外出して身の回りの自然が織りなす緑を堪能しながら
日頃の目の疲れを解消してみてはいかがでしょうか。
その際、目の前の木々や草花の緑を見るだけでなく
できるだけ「遠くの緑」を見るのがお勧めです。
というのも、近くよりも、遠くを見るときのほうが目の筋肉をゆるめることができるからです。
私たちはモノを見るとき、「水晶体」と呼ばれる、カメラでいえば「レンズ」にあたる
部分の厚みを変えることで、ピントを調節をしています。
その際に使われるのが、毛様体筋という筋肉です。
たとえば、近くにピントを合わせるときには毛様体筋を収縮させて水晶体を厚します。
遠くにピントを合わせるときは、毛様体をゆるめて水晶体を本来の厚さに戻します。
つまり、近くを見ているときより、遠くを見ているときのほうが毛様体筋はゆるんでいるのです。
スマートフォンやパソコンを見続けた後、ふと遠くを見ると、目が楽なったように感じたりしませんか。それはこうした目の仕組みによるのです。
目に入る自然の緑を見つめながら、日頃酷使している目を楽にしてあげて
ときどき遠くの緑にも目をやって緊張をほぐしてあげる。
新緑の季節は、そんな目の疲労回復を実践してみてはいかがでしょうか。
もう春はすぐそこまでやって来ています。体の不調は早めに改善したいですね。