手や足、体の末端の冷え
私たちの体温は、血流量の変化や汗をかくことで、温度を一定に保つよう調節されています。
例えば寒いと感じると、皮膚からその情報が脳の自律神経の中枢、「視床下部」に伝わり、ここから体温を一定に保つよう指令が出されます。
すると血管を縮め、血流の量を抑えることで、皮膚表面の温度を低く保ち、体内の熱を外に逃がしにくくします。
また、寒いと自然に体がふるえるのは、筋肉をふるわせて体温を上げようとしているからです。
反対に、暑くて体温が上がりそうなときには、血管を広げ血流の量を増やすことで皮膚の表面温度を上げて熱を出したり、汗をかいて熱を放出したりと調整しています。
特に手足に冷えを感じるのは?
体は重要な臓器が集まる体の中心部を一定の温度に保とうとしています。
特に寒い時は体の中心部に血液を集めて、体温を維持しようとします。
そのため末端の手先や足先には血液が行き渡りにくくなり、温度が下がりやすくなると、冷えを強く感じのです。
手足の冷えは、寒さや血行不良が原因であることが多いのですが、いろいろな冷え対策を試しても治りにくい場合には、ほかの病気が隠れていることもあるそうです。
手足だけではなく、全身がむくんでいるときや、はっきりした原因が特定できないのに、冷えがひどい、極端に冷えていると感じるとき等は医療機関での受診をおすすめします。
体の末端に冷えを感じるのは
■自律神経の乱れ
ストレスや不規則な生活などにより、体温調節の命令を出す自律神経がうまく機能しなくなります。
■筋肉の量が少ない
女性は男性に比べて筋肉が少ないので、筋肉運動による発熱や血流量が少なく冷え症の方が多いようです。
また、性別は関係なく運動不足の人も筋肉量が少ないため、冷えやすくなります。
■女性ホルモンの乱れ
ストレスが多かったり、更年期になると、女性の心身をコントロールする女性ホルモンの分泌の乱れによる血行不良で冷えやすくなります。
冷えの予防
体を内側から温め、血行をよくし、自律神経をきちんと機能させておくことが大切です。
体を冷やすような冷菓や、栄養バランスの偏りがちなインスタント食品などの食べ物は控え、ビタミンE、C、B1、パントテン酸、良質のタンパク質などを積極的にとりましょう。
*ビタミンE 末梢の血管を拡張させて血行をよくし、女性ホルモンの分泌を調整するウナギ、アーモンド、落花生、卵黄など。
*ビタミンC 貧血予防になる鉄分の吸収を促進し、毛細血管の機能を保持するかんきつ類、緑黄色野菜など。
*ビタミンB1 代謝を促進し、からだを動かすエネルギーを産生する豚肉、大豆、卵など。
*パントテン酸 代謝を促進し、自律神経を活性化させるレバー、大豆など。
*良質のタンパク質 熱エネルギーとなり、神経機能を保持する大豆製品、魚など。
**筋肉量をアップさせるのも大事です。
適度な運動は筋肉量をアップさせ、自律神経の機能を高める効果があるので、ウオーキングはおすすめです。
脚には全身の約7割の筋肉が集中しているので、特に下半身を動かすストレッチや、スクワット運動などの筋肉トレーニングなども効果的です。
整体で筋肉を緩めて骨格を整え、全身の血流を良くすることも一つの手段です。
体の冷えでお困りの方は、どうぞ当院にご相談下さい。