体温調節のしくみ
私たちの体では、体温調節のためのさまざまな反応が無意識のうちに起こっています。
その仕組みを詳しく調べると、同じ熱を作る反応でも、脳からの指令の通り道が
異なることがわかってきました。
無意識のうちに体温を調節しています
私たちの体では、皮膚にある温度センサーで寒さを感じると脳にその情報が伝わり
熱を作る仕組みが無意識のうちに働いて、体温が低下しないようになっています。
熱を作る仕組みは、寒さの程度に応じて次のように段階的に働きます。
①褐色脂肪細胞で熱を作り、体温を下げないようにする
②それでも足りない時は骨格筋をブルブルふるわせてさらに熱を作り、体温を下げないようにする
(感染によって発熱した時にも起こる)
①も②も、自分がこうしようと思って起こすものではなく、無意識に起こる体温調節の反応で「自律性体温調節」と呼ばれます。
この二つの仕組みでは、脳からの指令の通り道が異なることがわかってきました。
通り道の違う2段階の仕組みで生命を維持
まず、少し寒い時は脳からの指令で褐色脂肪細胞が熱を生み出します。
この場合は、自律神経の一種である交感神経を通って、「熱を作れ」という指令が下されます。
それだけでは体温が保てないほど低温になって、とても寒くなると、
脳の中の別のルートをたどり運動神経を介して「ふるえろ」という指令が骨格筋に届きます。
その指令に基づき、骨格筋はブルブルふるえて熱を生み出すという仕組みです。
ふるえによって、うまくしゃべったり、歩いたりすることができなくなることがありますが体温が下がってしまうほど寒い時には、そうしたふだんの運動(随意運動)を犠牲にしても体温を調節することのほうが、生命を維持するには優先されると考えられます。
体温は、顔色や表情と同じように、体や心の状態を反映します。
気持ちの良い春の季節ですが、暑く感じたり、少し肌寒い日もあるので
体の不調を感じたら何なりと当院にご相談下さい。