涙のメカニズム
3月ですね。
卒業や異動、引っ越しなど、3月はお別れも多く、思わず涙するシーンも多いのでは?
昔から「泣く子は育つ」といいますね。
そこで今回は、感情による涙のメカニズムや、泣くとストレス物質を排出できたり
苦痛を緩和するといった涙の健康効果についてお伝えします。
泣くとはどうゆうこと?
「なく」とひと言でいっても、日本語には「泣く」「鳴く」「啼く」といろいろな使い分けがあります。
「泣く」は人がなくとき、「鳴く」は鳥や虫がなくとき、「啼く」はカラスの群れが次々になくときなどに使います。
「涙」にも大きく分けて3種類あります。
①目の表面を保護したり酸素を供給したりするために基礎的に分泌される涙です。
②玉ねぎを切ったときや、煙やゴミが目に入ったとき、ワサビを食べたときなどに出る刺激性の涙です。
③情動の起伏によって出る感情性の涙です。
通常、人が「泣く」というときの涙は、この感情による涙を指します。
悔し涙は嬉し涙よりしょっぱい?
涙の成分の98%は水分です。
残りの2%がタンパク質やナトリウム、リン酸塩などです。
悔しさや怒りなどを感じて心身が緊張したとき、交感神経が刺激されて流れる涙はナトリウムを多く含んでいます。
悔しいときによく「しょっぱい!」などといいますが、悔し涙はゴミが目に入って流れる涙よりも塩分が多いので、実際にしょっぱく感じるのです。
一方、悲しいときの涙やうれし涙は、水っぽく甘い感じがします。
流れ出るのは涙だけじゃない?
感情によって涙が流れると、脳から分泌されるホルモンの「プロラクチン」や
副腎皮質刺激ホルモンの「ACTH」、副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」といった
ストレス物質も涙と一緒に体外に流れ出ます。
感情がたかぶって流れる涙には、ストレスの原因になる物質を排出する重要な役割があるのです。
以上のような観点から、涙を流すことは体に良いことが言えます。
心が疲れると体にも悪影響を及ぼすので、そうなる前に当院にご相談下さい。